次に同じく立岩さんから、シリコンバレー式プレゼン&ビジネスプラント題して、
①ビジネスプランを伝えるためのプレゼンのツボ
②ツボの使い方をビジネスプラン(立岩氏作成)使って体感
について講義が行われました。
何故プレゼンが大事?
聞き手の制約:時間、関心事項、憶えられる範囲(学生からは理解力、興味、知識など)
効果的なプレゼントは?
・要約力、訴求力、記憶力=相手の記憶に留める力(学生から:迫力、論理力、、)
・普通じゃない答えもぜひ(多様性)
プレゼンのツボ
①デザイン(設計)
聴衆分析
明確なメッセージ
アテンションゲッター注意喚起できる材料、工夫を
②デコレーション(装飾)
フォントは大きく、フォーマットは統一(色、フォントなど)、メッセージをイメージ化する
③デリバリー(話し方)
スタンス(レディーポジション聴衆のほうを向いて自然体で)、アイコンタクト(3秒くらい視線を合わせて、相手の反応を見ながら)、ジェスチャー
■事例によるデモ・プレゼン
①想定 講師:起業家、受講生:投資家
②内容 講師がSF大で本気で検討したビジネスプラン
③留意点 プレゼンのツボを頭において
■テーマ:モビリティエボリューション(シティー・セグウェイ)
電動ヒューマントランスポーター(電子ジャイロスコープによるダイナミックバランス機能、アクセル・ブレーキ不要の直感的操作)
事業ビジョン:楽しい、便利、クリーンの3ゾーンで
マーケット分析(参入機会)←受講生も引き込まれている。
質問を混ぜて聴衆の注意を引く。
セグウェイのポジション(従来の考えと新しいポジショニング=シティセグウェイ)
競合分析、参入障壁分析(交通規制)→4ステージ展開戦略(私有地内→セグウェイランド→構造改革特区→シティ・セグウェイ)
ビジネスモデルと概念図、収益見通し(5年後の2億円売り上げ、利益2000万円)
まとめ>プレゼンのツボの対比
質問>
Q:セグウェイをやめた理由?
A:規制緩和のタイミングの問題
Q:セグウェイのメリットをまず話すのと対比する候補の説明からはいるのとどっちが良いのか?
A:どちらでも良い。ケースバイケース。
Q:プレゼンの良い練習方法は?
A:まず話し、ビデオに撮ってもらって見直すのが良い(恥ずかしいけど)+回りの人にフィードバックもらう。
Q:内容は完全に憶えてから話すのが良いのか?
A:それがベスト。アイコンタクトを切らさない程度には憶えよう。
Q:早口にならないようにするには?
A:どうしてもたくさん伝えたくて早口になるが、なるべく自分を客観的に見ながら修正する。また、歩きながら、歩くペースに合わせて話すと良い(アイコンタクトの面でも効果在り)
GW明けの宿題>
チームごとに、第1回目事業計画(ネタ、コアとなる技術)の発表(3分)発想支援7分。
構成>技術、ビジョン、市場分析、戦略
Q:技術的なネタは特許なのか?
A:ねたの形態にはこだわらない、特許(斎藤先生)や研究室の技術など
Q:発表のしかたは?
A:チーム代表が出て発表。役割分担をしっかりと(
Q:ねたの実現性は?
A:特に制限なし。あまり架空の技術では難しいが、少しブレークスルーが残っていても良い。
Q:事業のタイムスパンは?
A:数年の回収が現実的だが、もう少し長期的なプランでも可
花咲くまでのキャッシュフローはあまりこだわらなくても良い
Q:ある業界の周知技術の他業界へのトランスファーは?
A:大いにけっこう
柴田>次の講義の週の月曜5/8に課題(ppt)提出を
立岩>ブログチームにねたを提供してください。
(文:TAごっちゃん 写真:TAかねきよ/Blogサポーター)
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4/26シリコンバレー式プレゼン&ビジネスプランに関するQ&A
担当講師の立岩です。チームビルディングのとき同様、受講生のみなさんからいただいたフィードバックに対する回答のうちQ&A部分を情報共有のため、以下抜粋して記載します。
(Q-1)ゲーム終了後の反省を聞いた感じでは、二位以降のチームの作戦に大きな相違点はないように見受けられました。しかし、結果は大きく分かれているため、本人たちがそこまで重要視していない何らかの点が勝敗を分けたと考えられます。ゲームを外から観察していらっしゃる時に何か感じられた点はありますか。
(A-1)私から見ても、あまり大きな違いはなかったようです。数分の違いはあっても、全チーム制限時間内に完成したことは、実力伯仲していることを物語っている気がします。私がスタンフォード大学で類似の演習をしたときは、制限時間の半分以下で完成したチームがあった一方で、制限時間内に完成できないチームもありました。そのときは概して役割分担があいまいなチームほど遅いという結果になっていました。
(Q-2)今回のような売り込みのプレゼンでも、プラス面だけでなく、聴衆側から突っ込まれるであろうこと(特にマイナス面)についても予め触れた方が効果的なのでしょうか?「弱み」も知っていることをアピールすることは転じて「強み」となり得るか?
(A-2)これはケースバイケースですね。ご指摘のように、先手を打って弱みを見せておくことで「弱みは承知の上で自信がある」というスタンスをとるやり方がある一方、その弱みが聴衆にとっては非常に重要なポイントだった場合には、それを先に聞いた時点でそれ以降の話を聴いてもらえなくなる可能性があるという欠点があります。
例えば私のシティ・セグウェイの場合、製造元が財務基盤の脆弱なベンチャー企業であるという弱みを全面に出してしまうと、その時点で日本の保守的な投資家や取引先は聞く耳をもたなくなってしまうことが懸念されます。
(Q-3)プレゼンテーションという観点で、立岩先生が今できていないことの最たるものはなんでしょうか?
(A-3)できていないことがありすぎて困っています(笑)。なかでも一番難しいと感じているのは、聴衆分析です。聴衆と一言で言っても多様な人の集まりなわけですから、全員に興味を持ってもらい、かつ役に立ったと言ってもらえるようなプレゼン(や講義)を準備することは至難の業で、いつも頭を悩ませています。
(Q-4)また、これまでに一番つまったことはなんでしょうか?
(A-4)スタンフォード大学でプレゼンテーションの授業を受講したとき、時々クラスの前に出て即興でプレゼンテーションをさせられました(突然テーマを与えられ、1分後にそのテーマについて3分間スピーチしろと言われる)。はじめてその洗礼を受けたときは、頭が真っ白になりしどろもどろになってしまいました・・・。
(Q-5)プレゼンの目玉となる(一番強調したい)ところは、どのタイミングで出すのが効果的でしょうか?
(A-5)ケースバイケースだと思いますが、一般的には聴衆の集中力が途切れないうちに、早めに出すのが良いと思います。
その場合でも、冒頭で「面白い展開になりそうだ」という期待感を醸成するような工夫があると、「目玉」を出したときの効果がより高くなります。
(Q-6)一枚のスライドに対して、だいたいどれくらいの原稿やネタをぶらさげるべきでしょうか?
(A-6)一般的には、1枚あたり1~2分かけて話すペースが丁度良いと言われています。しかし、2分間話す内容を全て文字にしてスライド1枚に収めることは不可能です。
そこで、スライドには絶対に憶えてもらいたいポイントだけを記載し、行間は口頭で埋める、というスタイルが効果的だと思います。
(Q-7)今回のプレゼンではあまりグラフが出てこなかったような印象でしたが、ものによっては多くのグラフをスライドに盛り込む必要性がある場合もあると思います。その際、グラフの説明の割合を大きくしすぎると、データの解釈だけに気をとられ、本来伝えたいメッセージが薄れてしまうことが多いと思います。プレゼンの中で効果的にグラフや数値データを利用する際にポイントとなるのはどのような点ですか。
(A-7)グラフや数値データをスライドに単に張り付けるのではなく、その中でも特に注目すべきポイント(例えば曲線の変曲点)に、矢印マークをつけて際立たせる等の工夫をすることで、聴衆の関心を誘導することができます。
(Q-8)また、今回はポインターを使っていなかったように思われますが、効果的なポインターの使用法等ありましたら教えていただけると嬉しいです。
(A-8)ポインターはあると便利ですが、ポイントでないときにもむやみに使ってしまうと聴衆の意識を拡散させてしまうほか、話し手がスクリーンの方ばかりを向いてしまう可能性があるので、注意が必要です。
(担当講師
立岩)